2009年4月9日木曜日

懐かしい感覚

昨日はブログ更新をお休みしてしまった。
それは,同僚の人たちと一緒に飲みに行ってしまったからである。
待っていた人,ごめんなさい。
平日なのに,ハゲシク飲んでいました。

さて,今日は,前の書き込みの最後でお知らせしたように,K特別支援学校の入学式に行った話。
このブログでは,あんまり仕事関係の話は「なし」にしたいのだが,この話は特別です。
何が特別って,感動で涙が出そうになったのである。
何に感動したかというと,学校の臭いである。

養護学校とか,特別支援学校には,独特の臭いがある。
この「臭い」は,たとえでも何でもなく,本当に臭うのだ。
たぶん,初めてそのたぐいの学校に行った人にとっては,決していい臭いではないはず。
かくいう私も,学部生ではじめて養護学校に行った時,
「ヘンな臭い」と思ったもんである。
生臭いような,ちょっと「お便所」的で,独特な臭い。
それが,
毎日,こうした学校に勤めるようになると,麻痺して全く臭わなくなってしまう。

さて,
私の勤め先とK支援学校の間は,渡り廊下でつながっている。
その廊下は2枚のガラス扉で仕切られていて,子どもの手の届かないところに鍵がかけられるようになっている。
普段は,閉じられていてめったに開けられることのない扉だ。

おとといは同僚のIさんが,
「いのこさん,入学式見に行く?」
と,声をかけてくれた。
「え,行く!行く!」
久しく子どもを見ていなかった私は,あわててIさんにくっついて行った。

「ここを開けて,行くんですよ」
と,例のガラス扉を開くIさん。
1枚目,そして2枚目を開けた時,
いきなりあの臭いが…。

その途端,
「あー」と声が出て,
身体中の血がざわざわして,
涙が出そうになり,
とても懐かしい感じがした。

ほんの数週間前まで,私はこの臭いにどっぷり浸かって仕事をしていたはず。
でも,この臭いをかいで,入学式で奇声を発する子どもたちや,いつ終わるともしれぬ挨拶を恨めしそうに見る先生たちの姿を見ていると,
「ああ,ここから帰りたくない」
と,本気で思った。

入学式は,お世辞にも「いい」とは言えなかった。
でも,そんなことどうでもいいのである。
「よくない入学式」なんて,養護学校には普通にあることだから。
(我慢していた子どもは気の毒だけど)
「私の仕事は,ここにある。」
と,強く思った。

ふつう「嫌悪的」と考えられる刺激が,「懐かしさ」や「決意」「感動」など肯定的な感覚を誘発するのは,とても不思議な感じがする。
頭では「そんなこともあるだろう」と考えることができても,実際に体験してみると本当に不思議なのだ。
私は,学校や子どもが嫌いなのだ,と思いこんでいたけど,どうもそうでもないようだ。

環境の変化は,人間の行動に思わぬ変化をもたらすもんである。

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by tensuinoko