2010年8月1日日曜日

徳島ABA研サマスク初級終了!&論文!!

先週の金、土曜日と、徳島ABA研究会の応用行動分析学サマースクール初級コースに参加してきました。

徳島県と全国各地から40名の参加者を集めて、2日間たっぷりの研修でした。
会員の私が言うのもナンですが、
「ごくふつうの教員が、専門的な応用行動分析学の知識や技術を含む研修プログラムの講師を努めて、熱心な参加者にかなり満足度の高い研修が提供できるサマースクールって、ごっつー(すげー)!!」
です。

しかし、これは魔法でもなんでもなく、
情報&ディスカッションの共有のためのWeb環境、
誰でも使える教材の整備、
誰でも運営できるマニュアル、
などの条件を整えたからできていること。

でもそれだけでなく、教員スタッフの大変な努力に支えられていることも事実。
「大変な努力を減らすこと」は、いつも夢見るのです。
でも、実現は結構難しい。

ただ、今回うれしかったのは、徳島ABA研究会スタッフの大変な努力は、
決して徒労ではなく、スタッフの専門性を非常に高めることに働いていることがわかったことでした。
その例。
参加者から、いろんな質問が付箋紙に書かれて、ボードに貼り付けられます。
そういうシステムをとっているから。
スタッフにとって、恐怖の付箋紙、と恐れられています。笑

「ABC分析の結果(C)につける矢印(↑や↓)は、どのように判断して書けばいいのですか?」
これ、普通の教員が答えられる問題じゃないですよね。
ところが担当スタッフは、
↑・↓は行動が増えているか、減っているかで記入しましょう。問題行動のABC分析は、普段の子どもの様子から推測することが多いです。しかし、実際に強化しているか、弱化しているかは記録をとって分析しないとわかりません。(↑)(↓)をつけることが重要ではなく、大切なことは、結果として起こる状況の変化を推測することです。まよったときは(?)をつけることもあります。
と、答えを考えました。
いい答えです。
「結果として起こる状況の変化を推測する」の辺りなんか、泣かせます。

あ、内輪褒めばっかりしてしまった。
ま、スタッフの皆様、参加者の皆様、本当によい研修会をありがとうございました。

さて、論文の結果
山下・向笠・松石(2009)は、米国で効果が実証されているADHDの子供のための夏期治療プログラム(STP)を日本で3年間にわたって再現実施し、参加児の行動改善のためのポイントシステムの獲得ポイント、保護者へのADHDや反抗挑戦性障害の評価尺度が、STP開始直前と終了後の比較において有意に改善していると述べている。

ほんでもって、「まだまだ論文」シリーズは、ちょっとお休みします。
再開は、8月末の予定です。

by tensuinoko