2009年5月12日火曜日

忘れない!ためには

当たり前の話だが、「忘れない」ためには、「見えるようにする」ことが非常に有効な解決策である。

料理をしていると、よく
「そうそう、今度スーパーで○○を買わなくちゃ…」
てなことを、思う。
思ったことを「忘れない」ようにするためには、思ったその場でメモすることが重要だ。
さらにそのメモを、思い出すべき時に「見るであろう場所」に提示しておくことも重要だ。

行動分析学的に言うと、「忘れる」は行動ではない。
必要な時に「思い出す」行動が起こらない出来事のタクトが、「忘れる」だ。
けど、あまりにも便利な言葉なので、つい「忘れる」という行動があるかのように錯覚してしまう。
ついでに「忘れない」という“行動”も。

さて、料理をしている時に
「そうそう、今度スーパーでキッチンペーパーを買わなくちゃ…」
と思ったとする。

 A:料理をしている時、無くなりそうなキッチンペーパーを見て
 B:「スーパーでキッチンペーパーを買わなくちゃ」と思う
 C:やがてキッチンペーパーが無くなる不安が減る(↑)

ところが、先行条件A「料理+無くなりそうなキッチンペーパー」が無い状態では、B「スーパーで…」の行動はとても起こりにくい。
この状態が「忘れる」だ。
で、キッチンペーパーは永遠に補充されず、料理をするたびに
「あ゛、キッチンペーパー、買うの忘れちゃった」
と思うことが、繰り返される。

ほんでもって、メモである。
メモに「キッチンペーパー」って書いてあると、別に料理をしていなくても
「そうそう、キッチンペーパー買わなくちゃ」
と、思う。
当たり前だ。

忘れないために「見えるようにする工夫」は、メモだけではない。
単身赴任者に非常に有効なのは、
「床に○○を置く」ことだ。

「あ、明日は生ゴミの日だ」と思ったら、すぐ玄関の床に生ゴミの袋を置く。
「洗濯機が止まったら干さなくては」と思ったら、すぐ居間の床に洗濯かごを置く。
とにかく「必要な時に見える」ことが肝心。
一人暮らしの気楽なところは、床にものが置かれていても、誰にも文句を言われないところだ。
ゴミでも、カゴでも置き放題。

忘れないために「見えるようにする」工夫は、普段の仕事でも、自閉症教育でも、認知症のお年寄りの介護でも、非常に役に立つ。
いかに「必要な時に見えるようにするか?」というところが、ポイントだと思う。

当然、ポイントを押さえた我が宿舎は、
家中メモの付箋だらけ。
床中ものだらけ。
「思い出す」ための弁別刺激提示も、大変だ。

2 コメント:

匿名 さんのコメント...

こういうのはどうでしょうか?キッチンペーパーを買わなくちゃって思ったときに不安を減らすために考えるだけでなく、いかに思い出せるか。出させるか。
 スーパーに行く自分を想像し、キッチンペーパーを買う自分も想像する、かつ 買い忘れる自分も想像する、嫁さんに買ってきてと言われたと想像する。いかに忘れないように記憶しておく介入を自分の頭にするのは?これは記憶力の本から盗んだ方法です。

 でも結局 見えるところに書いておくのが手軽で一番ですよね!

tensuinoko さんのコメント...

coheyさん、コメントありがとうございます。
「キッチンペーパーを買わなくちゃ」と思った時、私の場合大概それが先行条件になって「やがてキッチンペーパーを買い忘れる」不安が出現し、それがさらに先行条件になって「メモする」という行動連鎖になっています。
たぶんcoheyさん提案のやり方と同じかな。
しかし、メモ行動の前に「メモ用紙やペンを探す」行動が入ってしまうと、それ自体が活動性嫌子となってメモ行動が起こりにくくなってしまうので、「メモやペンをすぐ取れるところに置く」というのが、メモ行動成立の重要な条件になっています。
また、コメント下さい。

by tensuinoko