2010年12月19日日曜日

何を教えるか?を考える

徳島の幼稚園および小学校でコンサルテーションを行った。

コンサルテーションの感想。
別にデータをとって比較したわけではないけれど、
知的障害特別支援学校の教員と、通常小学校の教員の違いは、
子どもに何を教えたらいいのか?
を考える回数ではないか?

上の感想の理由
知的障害特別支援学校の場合
同じ年齢の子どもでも発達段階はバラバラでだから、教えるべき内容は子どもごとに違う。
当然、教科書も指導書もない。
学習指導要領も「具体的な指導内容は個別に設定する」と書いてある。
だから教員は「何を教えるべきか?」を常に考え続ける。
小学校の場合
同じ年齢の子はほぼ発達段階がそろっている(と見なしている、最近はこの前提が崩れているように思うけど)から、
教えるべき内容は皆同じ(と見なしている、同様に最近崩壊しつつあるかも)。
教科書と指導書には、教えるべきことが詳細に書いてある。
学習指導要領にも、具体的な指導目標(指導内容という曖昧な表現なのが気に入らないけど)が書いてある。
だから、教員は「何を教えるべきか?」を考える必要がほとんどないように思う。

コンサルテーションでわいた疑問。
小学校通常学級で、下学年の内容まで教えるような習熟度別グループ編成による授業は可能なのか?

疑問がわいた理由。
小4年8名のクラスの割り算の授業を見た。
明らかに割り算の学習が難しい児童が1名。
一部できるけど難しい児童が1名。
できない原因は明らかで、九九が未習得、引き算のスピードが遅い、スモールステップや練習回数が他の子どもより明らかに多く必要。
子どもが何人か集まれば、理解のスピードや達成状況に差が出るのは自然の摂理。
九九は2年生で習得しておく課題だが、4年生でも不十分な場合、算数で落ちこぼれていくのは必至。
一部の子どもに、割り算より九九をトレーニングすべきなのは明らか。

小学校に必要だと思ったもの
子どもが「わかった」「僕にもできた」と思う回数を保証するシステム。
例)田中さんのやった放課後クラブのような取り組み

私塾(今でいうと学習塾)には、このような事のヒントがあるような気がする。
しかし、私塾に頼ると経済格差が教育に影響を与える。
今は、まさにこの状態。

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by tensuinoko